地図とコンパス

人はときに美しいと思える瞬間に出会うこともあります。人生の地図とコンパスをつくっていきましょう。

【モノの紹介】クラークスのゴアテックスブーツ

大学三年生の頃から、冬にはクラークスのブーツばかり履くようになった。ゴアテックス仕様のブーツだ。僕はこれがすごく気に入っている。

まず、ブーツなのに靴擦れしない。買った直後のまだ革が足に馴染んでいない状態でも、一度も靴擦れをしなかった。それまで、ドクターマーチンやティンバーランドのブーツを履いてきたが、特に履き始めは靴擦ればかりしていた。ブーツってそんなものだろうと思っていたから驚きだった。

加えて履き心地が良い。足がちょうど良い具合のモフモフとした生地で覆われているような感じ。柔軟性があって革のブーツ特有の固さがないし、歩いても足とブーツの間に隙間が空かずフィットする。

そして暖かい。上述したように足が靴のモフモフで覆われているためか、雪道を歩いていても冷たさを感じにくい。ティンバーランドのブーツだと足先が冷えてしもやけになることがあったが、クラークスのゴアテックスブーツだとなかった。

ただ、ゴアテックスには透湿性があるらしいが、さすがに少し蒸れる。暖かい日にはあまり履きたいとは思わない。

クラークスは、あの有名なデザートブーツに代表されるように、創業時から「ソフトな履き心地の靴」を目指しているそうだ。カジュアルすぎない少し上品なデザインと履き心地の良さで、僕はすっかりクラークスのファンになってしまった。ゴアテックスのブーツは今年二足目を買った。また、春から秋の暖かい季節にもクラークスのシューズを二年近く使用している。

値段もそんなに高くないため僕のようなお金のない若者でも買いやすい。でも、もうすこしブーツのラインアップを増やして欲しいかな。

 

www.clarks.co.jp

村上隆の五百羅漢図展【出来事】

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先日、東京へ行ったついでに村上隆の美術展を観た。

今まで西洋の画家の美術展を数回行ったことがあるが、正直いくら背景や技術を説明されても作品のどこがすごいのか、なぜ価値があるのかピンとこなかった。さも関心したように絵やオブジェを眺めて、そうかこれがすごいものなのかと自分を無理矢理納得させていたような感じだった。

しかし、村上隆の仰々しい羅漢の絵をみたとき、芸術の価値というものが少しだけわかった気がした。僕はあの羅漢の絵を見た後、もう一度じっくり眺めてみたいと思った。それまで西洋の画家の美術展に行ったときには感じなかった感想だった*1。どうやって作り上げられているのか、あの線一本はなぜ書かれているのか知りたいと思った。美しいものを観たときに感じる感動とは異なる。ただ、どうして?なぜ?そんなものがここにあるのかということを、ただ知りたいという感じだ。そしてその欲求こそが芸術の価値を生みだすのだと思った。未知との遭遇のようなものだろうか。自分では創り出すことができないものに対する憧憬ともいえるだろうか。あんな変な絵を描きながら、美術作家として第一線で活躍する村上隆に対する好奇心だろうか。

僕は芸術作品の価値をつくりだしたのだ。そのとき初めて、なぜ芸術が価値をもつのかがわかった。

ただ、くだけた感想をいうと、あんな一見わけのわからない妖怪みたいのものを大人たちが関心したように眺めている美術展の様子はなんだかシュールで、そんな雰囲気のほうが面白くて楽しめると思う。

 

www.mori.art.museum

 

*1:西洋の美術が優れていないと言いたいわけではない。多分村上隆は同時代を生きる現代美術家であるため、僕が理解しやすかったのだろう

【音楽の紹介】Forever Love / X JAPAN

この曲を聴いたのは高校生の頃だっただろうか。

高校生ぐらいの年頃の青年はよく哲学的なことに疑問を持つと言われるが、僕もご多分にもれず社会や自分に疑問を感じながら高校生活を送っていた。その頃は感受性が強く、一冊の本、一枚のCDからでも大きな影響を受けていた。人生の意味を示唆するような物語や共感できる言葉に飢えていた。

「Tell me why, tell me true 教えて生きる意味を」

このフレーズを聴いたとき、泣いてしまったことを憶えている。疑問を抱いているのは一人じゃないんだと励まされた気がした。自分の居場所が社会にあったんだと思った。

X JAPANが熱狂的な人気を誇るのは、僕のような社会や自分に疑問を感じてしまう人に共感と居場所を与えてくれるからだ。その存在は閉塞した社会の路地裏で結成されたレジスタンスに似ている。

当時の僕はこの曲を聴き、X JAPANという存在を知り、この社会で生きる希望を見出したような気がした。

 

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【本の紹介】外資系コンサルのスライド作成術 / 山口周

大学院に入りたての頃、この本が非常に有用なアドバイスを与えてくれた。そのころの僕は、スライドの作り方がわからず、うざったいほどに先輩に相談ばかりしていた。なにからどう手をつけていいかわからず、自分一人でスライドを作れるようになれるなんて考えられなかったくらいだった。

僕にとって有用なアドバイスとなった内容はほとんど第一章にある。特にストーリーをつくってからスライド作成にはいるというアドバイスは、プレゼンに対する大事な考え方を教えてくれた。スライドというのは、あくまで自分の目の前にいる人に対して情報を伝えるための補足資料である。目の前の人にどれだけ自分の伝えたいことを魅力的で正確に伝えることができるかというのがプレゼンの目的であって、スライドの美しさやストーリーに執着したようにこだわるのは重要なことではないのだ。だから、この本ではパワポによるスライド作りは一番最後に行う作業だと教えている。

万人の攻撃を防げるようなスライドを作ることは不可能ではあるが、スライド作りを効率のよいフレームワークに落としこむことは可能だろう。この本を読んだおかげで大学院時代の幾多の学会、ゼミ発表を乗り越えられたと思う(それでも修羅場は何度もあったけど)。

 

 

 

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

 

 

【音楽の紹介】Empire state of mind / JAY-Z, Alicia Keys

この曲を聴くと、都会への憧れを思い出す。

「すべてを叶えてくれるコンクリートジャングル」 

素晴らしい響きだと思う。

世界に駆け出してやろうという気持ちを思い出させてくれる。

 

いつから自分は安定した人生を送りたいと思うようになってしまったのだろう。

目立つことだけ考えていた昔の自分は、今のような人生を望むわけはないだろう。

人は、感情を忘れやすい。

ニューヨークのストリートとネオンがJAY-Zに新鮮な気持ちを与えるように、この曲はたとえ英語がわからなくても聴いているだけで僕に十代の頃のギラギラした感情を思い出させてくれる。そんな特殊な力をもっている曲だ。

 

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【本の紹介】ネシャン・サーガ / ラルフ・イーザウ著

僕の人生に大きな影響を与えた本を挙げるとき、この本を欠かすことはできない。

嵐の海を航り、灼熱の砂漠を抜け、猥雑な街を辿る冒険は少年の好奇心を満たすのに十分な面白さがあったが、他の児童文学とこの本が一線を画してしていたのは、主人公が最大の敵を倒す方法にあった。

主人公は最期、武器である”裁き司の杖”を使うことなく最大の敵を倒す。彼が敵を倒す決定打に使ったのは一輪の花だった。闇に一筋の光を照らす花を敵の前になげうつことで最大の敵をうち倒したのだ。

そう、思想は剣や魔法よりも強い力をもつのだとういことを教えてくれた。

以降、チャンバラ少年から思索に耽る少年への扉が開かれた。

 

 

ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖

ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖

 

 

 

ネシャン・サーガ〈2〉第七代裁き司の謎

ネシャン・サーガ〈2〉第七代裁き司の謎

 

 

 

ネシャン・サーガ〈3〉裁き司最後の戦い

ネシャン・サーガ〈3〉裁き司最後の戦い

 

 

【本の紹介】裸でも生きる / 山口絵里子

 自分のやりたいことをして生きていくにはどんな生き方をしたらいいのだろう。山口さんの生き方は僕にその答えの一端を教えてくれた気がした。

 フェイスブックCOOの女性が書いた『Lean in』という本の、「怖がらなければ何ができる?」*1という言葉を思い出した。この言葉は、自分のやりたいことを阻害する要因に恐怖がどれだけ大きな割合を占めているかを気付かせてくれる。山口さんはこの言葉を体現したように、やりたいことができる選択肢を選び続けてきた。

 

 

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)

裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~ (講談社+α文庫)