地図とコンパス

人はときに美しいと思える瞬間に出会うこともあります。人生の地図とコンパスをつくっていきましょう。

「17歳の地図」② 尾崎豊はただの悪ガキ?

「17歳の地図」は1983年に発売されたアルバム「17歳の地図」に収録されている。これが尾崎豊のファーストアルバムだ。

このファーストアルバムには彼の有名どころの曲がたくさん入っている。ちなみに彼はこのとき18歳だったのだから、ジーニアスぶりに驚く。

1983年は、刑法犯の少年犯罪が最も多かった。また、学校の暴力事件もこの頃がピークだったらしい。

つまり、不良全盛期。

くわえタバコ、街角で自分を売る少女、そんなのは今どきあまりみかけないから(たぶん)時代を感じる。

この曲の歌詞をみていると、客観性を感じる。となると、悪ぶった行動もファッションだったのだ。

ファッションとしての不良文化。人間の行動なんて流行り廃りにすぎない。

尾崎豊は客観性をもっていた。そして、客観から感じる自分たちのおかしさ、たまにセンチメンタルな気分になる十代の心情を表現する力をもっていた。だからメジャーで売り出される曲として成立している。

尾崎は仮面を被った不良少年だ。繊細で知的な内面をもっていながら、世の中に振り回されていたのだ。