There is a light that never goes out / The smiths 【音楽の紹介】
誰もが一度は経験したことがあるだろう。
「いっそこのまま死んでしまえばいいのに」と思うような最高の夜を。
1986年に発表された、ザ・スミスの「There is a light that never goes out」は、青春時代の繊細な心情を描いた名曲だ。
好きな女の子と車で揺られながら、ここではないどこかにいってしまいたい。いっそのこと二人で一緒に10トントラックに轢かれて死んでしまいたい。だって自分は、今、ここで、君といる以外に居場所なんて無いんだから。
青春時代を過ごした誰もが若いころに感じた繊細な感情をうまく音楽にのせて表現している。モリッシーの独特の消えてしまいそうな青い声は、この曲を歌うためにあるのではないかと思ってしまう。
一緒に死んでしまいたいという感情を暗くて身勝手な感情だと決めつける人もいるだろう。だけどわかってほしい。彼らにとって、現実はこれ以上よくなることはないのだ。まさに人生の絶頂を彼らは迎えているのだ。あとはもう下り坂を降りることしか出来ない。「決して消えることのない一筋の光」を求める彼らにとって、「今ここで」死ぬことは必然の選択なのだ。
The Smiths - There is A Light That Never Goes out