Stay Gold

生きること。それは日々を告白していくことだろう。

表現する理由 / 落合陽一 TEDxTokyo 2011 

 

先日のニッポンのジレンマ「“会社やめたい”あなたに贈る仕事論」に出演していた落合陽一氏。自分探しの話題になった時、彼は「人生は無意味だ。問題は何を信仰するかだ」と話していた。その言葉をきいて、「僕と価値観似てるじゃん!」と感じて興味をもった。ネットで検索して、落合氏が2011年に講演をしたTEDTOKYOの動画をみた。この動画を見て、やっぱりこの人はすごい人だったんだなと感じた。

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 この時、落合氏は大学院生だろうか。最近テレビで見かける、けばけばしい姿とはかなり違ってはいるが、この頃から独特の雰囲気をもっている。ファッションもそうだし、しゃべり方もそう。そして思考も普通ではない。この頃の彼はどちらかというと芸術家だ。

プレゼンは、自分が何を表現したかったか、自分の表現したいことをどうやってかたちにしたか、という流れで進む。巨大なブレットボート(電気回路の実験用の基盤)に虫や植物をつないで価値観の変化と循環を表現した作品、粉ミルクと骨壷で人間の命の循環を表現した作品などを彼はつくってきた。彼はそのひとつひとつの作品にたいして、どういうテーマがあってどういう目的でつくったかを順序だてて説明していく。たとえば、「価値観が視点によって簡単に変わる」⇒「発光ゴキブリとホタルとの対比を表現する」、「震災の影響を表現したい」⇒「粉ミルクと骨壷で命の循環を表現する」というふうに。

この発表は僕に、「表現するとはどういうことか」ということを教えてくれた。僕自身これまでいくつかの美術展に行ったことはあるが、芸術家が作品をなぜうみだすのかちゃんとわかっていなかった。今はまだかたちのない、伝えたくてたまらないことを限られた方法でどうやって表現するか。単純だが表現とはまさにこの活動を繰り返していくことにほかならない。彼のプレゼンは、表現の大切な思考方法を教えてくれた。

彼の思想が僕と共鳴し、彼に興味を抱かせた。同じようにたくさんの人が落合氏の思想に共感するだろう。そのようにして思想は草の根を広げていく。作品は思想を表現する手段であり、観客は作品から作家の思想を読み取る。

落合陽一氏は、最初テレビで見かけた時は怪しいまがいものじゃないかと思ったが、もともと本物だった。やはり、有名になる人は突出した才能を発揮したからこそ有名になったんだと思った。