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僕らの行く道

若者の若者による若者のためのブログ

脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体 / 中野信子 【本の紹介】

先日の小池龍之介さんの話からドーパミンをはじめとする神経伝達物質に興味を持ち始め、そのきっかけで読んでみた一冊。

依存症がドーパミンを放出する報酬系に関係しているということが書かれている。
既に神経伝達物質や薬物に関して知識のある人はこの本からはあまり新鮮な驚きをうけないだろうが、僕のようなこれまでよく知らなかった者にはこの本の内容には驚きの連続だった。

ドーパミンセロトニンといった物質が人の行動をコントロールしているとなれば、ぼくら人間は目の前の人参を追いかける存在ということになる。数万年、数千年かけて目の前の人参を追いかけてきた結果が文明ということになる。
報酬系がトリガーとなることで活動をコントロールされ、遺伝子を残すマシンである人間はそもそも幸福に生きることを目的にできていない。薬物の後遺症に人々が苦しむように、快楽を連続して享受することができるように僕達の身体はできていないのだ。
報酬系が作用することが人間の究極の幸福と言うのなら、薬物だろうがギャンブルだろうが愛のある家庭だろうがなんだろうが、報酬系が作用している人間はともに幸福ということになる。幸福度を測りたいと思うのなら、現在のような曖昧な調査方法ではなく、脳内のドーパミンの放出量を図るのが理にかなった方法だということだ。
報酬系が作用するように人間の行動が仕向けられていて、文明は人間がドーパミンを求めて作り上げた産物だというなら、人間の歴史はまさに幸福を求めてきた旅路だといえる。欲望を求めて生き、時には苦しみを味わい方向修正を繰り替えしながら生きていくというのが幸福への最短経路といえるかもしれない。だとしたら、僕たちはあるがままに生きていればいいということだ。難しい倫理とか道徳をつくることなく、あるがままに生きていれば僕たちは身体に導かれて快楽への道を模索する。僕達の身体は報酬(ぶら下げられた人参)に支配されている。

 

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