「It's up to you!」 / タイの露天商が放った僕の課題を突いた言葉
写真:チェンマイ名物カオソーイ
チェンマイのノスタルジックなサタデーナイトマーケットが懐かしい。
チェンマイの服売りのおばさんは、値引きを繰り返しながらも買うか買わないか迷い続ける優柔不断な僕をみて、「あなた次第なのよ!」と言い放った。
おばさんは、呆れたような、叱っているような言い方でその言葉を言った。
当時の僕の生き様を象徴する言葉にように感じて、ドキッとした。
露天商のおばさんは、物の売り買いというささいな行動だけで僕の性格と生き方を見ぬいたのだと思った。
大学4年で、二十歳の成人式を過ぎて二年が過ぎても、人生を自分で選ぶことができていない僕がいた。
当時、そんな優柔不断な生き方をしてきたツケがまわってきたように、つらいことが重なって起こっていた。
タイ旅行はつらい生活からの逃避行のようなものでもあった。
露天商のおばさんという思いがけない場所から、お叱りを受けることになったのだった。