【音楽の紹介】ロックンロールの体現 シスターマン / 毛皮のマリーズ
僕の大好きなバンドである毛皮のマリーズの曲。
この曲の2007年埼玉VJ-3でのライブ映像がYoutubeに上がっている。大学時代、この素晴らしくかっこいい動画をみてしびれまくった。ロックの素晴らしさを体現したような曲だと思った。
ロックという音楽ジャンルには様々な定義があるだろう。バンドをしている人、評論家、音楽好きな個人、一人ひとりがロックに対する多様なイメージをもっている。ロックという言葉は、形容詞のような使われ方もする。まったく音楽と関係ないシーン、例えば、政治的な外交交渉の場面から街角での人と人との小さな小競り合いといった場面に至るまで、ロックのイメージを表しているのなら「これはロックだ」と形容される。
毛皮のマリーズのシスターマンは、演奏形態・音楽理論といったものがロックに当てはまるかどうかといったことに関わらず、「これはロックだ!」と叫びたくなってしまう曲なのだ。
まばらな観客、ひたすらにナルシシズムに浸っているようなボーカル・ギタリスト、フォトジェニックなバンド、そしてシスターマンという壮大なブルース、そういった要素が相まって素晴らしい空間を作り上げている。
噂によると、志磨さんは18歳の時にこの曲を書いたらしい。たしかに、十代の青年が抱くような、反体制的かつ弱者への優しさに溢れた歌詞だ。「後ろ指さされ罵られる」彼/彼女に向かって、志磨さんは「歴史も神話も嘘さ」と言い励ます。
街の暗がりの小さくて人もまばらなライブハウスのステージで、歴史も神話も否定してしまう毛皮のマリーズのシスターマンはまさしく”ロック”だと僕は思う。